カウンセリング

カップル(夫婦)カウンセリングの具体例

ここでは、具体的な例を挙げながら、カップル(夫婦)カウンセリングの進め方、対応の仕方などをご説明させていただきます。

なお、このページで解説しているのは平均的な例であり、すべてのケースで当てはまり、すべてのケースで@はあと・くりにっくが同様の対応をすることを保証するものではありません。

カップル(夫婦)間に亀裂が入るまでの経過

カップル(夫婦)夫婦の関係に亀裂が入ってしまうことは少なくないことです。

きっかけは、不倫や秘密の借金が発覚するというような、「外因的」なケースと、家庭・仕事・配偶者・親戚などに対する考え方の違い、家事や育児の分担、話を聞いてくれない、話にならない、お金の使い方、言葉遣い、病気等への不満やストレスが爆発する「内因的」なケースがあります。

しかし、「外因的」であれ、「内因的」であれ、もうこれ以上こじれない、というレベルまでこじれてしまっている場合、すでにカップル(夫婦)だけの話し合いは不可能になっているか、いつも同じパターンの話にしかならないケースがほとんどです。

ケースによっては親戚や、信頼できる友人などに間に入ってもらい話し合われていることもありますが、大抵そのような介入は不調に終わります。 こじれる前でしたら世間的な考え方に基づいた介入が効果的なこともありますが、すでにこじれてしまっている場合は、何が起こっているかきちんと理解した上での適切な介入がなければ、さらに問題の解決を困難にするだけです。

たとえていうなら、「ちょっとだるい」というのであれば「温かくして早く寝なさい」という世間的な対処も効きますが、それでうまくいかなかったときや高熱を出しているときにする素人的な対処が危険なことと同じです。

このような状況に陥った場合、多くのカップル(夫婦)は相手を批判します。 善悪をつけようとして徹底的に「議論」すると、どちらにも自分の言い分があるのでさらに深みにはまっていきます。

そうして双方が力尽きたとき、もう相手に何も期待せず、いわゆる家庭内離婚に至るか(特にお子さんがいる場合など)、現実に離婚をするかという状態になっていきます。

双方が「相手が変わらなければ結婚生活は成り立たない」という瀬戸際に追い詰められており、相手を批判し合っているのが一般的ですが、どちらか一方が悪いという「合意」が成り立っているケースもあります。 その場合、基本は両者とも同じで、我慢し続ける限り、お二人の間で問題は顕在化しません。

なぜ、うまくいかなくなるのか

このパターンでこじれてしまうケースの多くは、希望的観測で現実が見えなくなってしまっています。

たとえば、

  • 「どちらかが悪い」ないしは「双方それぞれ悪いところがあった」という結論に至ることができれば、悪いとされた方が心を改め、状況が改善するという「信念」

この考えは、童話やおとぎ話の中でしか通用しない、「こうあってほしい」という希望的な考え方です。 現実の人間の心の動きがこうならないのは自分自身を冷静に振り返ってみれば理解できるかと思います。

つまり、社会的な価値観や権威を借りながら、自分の価値観を押し付けることで問題を解決しようとしていることになります。 しかし世の中にはいろいろな価値観があるため、引用する事例には事欠かないので結局決着がつかないわけです。

別のパターンでは、

  • 「双方にそれぞれ悪いところがあった」のだからお互い水に流すべきだという考え、ないしは、十分謝ったのだから許すのが「大人の対応」だという考え

これももっともらしい考え方ですが、感情が強く絡む問題には効果がありません。 仕事上の問題などはこのやり方でうまくいくことが多いので、そのまま家庭にも持ち込むケースが多いようですが、複雑な問題やもともと構造的に問題がある場合にはうまくいきません。

対応例

@はあと・くりにっくのカウンセリングでは、このような例に対して、まずは現実に何が起こっているのかを双方にわかっていただけるように介入します。 本当に起こっていることがどういうことであるかがわかれば、糸がほどけるように問題を解決することができるのです。

前者の例では、各自の行動が「善」か「悪」かではなく、お二人の関係が「そうせざるを得ない連鎖」の結果として不幸な結果をもたらすような「構造」になっていることが理解できれば、それを改善することが可能になるわけです。

後者の例では、論理の上では解決するはずであっても、現実には未解決の問題が存在するという事実を認識することができれば、(隠れた)未解決の問題に対処することで問題を解決することができることになります。