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性格の不一致は似たもの同士?

性格の不一致?

離婚理由の第1位は『性格の不一致』ですし、巷で夫婦がうまくいかない理由として聞かれることも多いのですが、本当でしょうか?

夫婦はそれぞれ別の人格ですから、性格がぴったり「一致」しているはずはありません。 一致していない中でもうまくやっている夫婦もあればうまくいかなくなってしまう夫婦もあります。 それは何が違うのでしょう?

まず言えることは、多くの場合、問題となっているのは「性格」ではなくて「行動パターン」だということです。 つまり、巷に「性格の不一致」と言われているものは、実は「行動パターンの不一致」だということです。

来談されるカップルやご夫婦の少なからずが、自分たちは性格が180度反対だからうまくいかないと言われます。 ある状況になったとき、二人はまったく反対の対応をすると・・・。

たとえば何かトラブルが起こったとき、妻は感情的に話そうとするのに対し、夫は黙ってしまう。 妻は話さなければわからないと言うのに対し、夫は何でも話さなければわからないようでは夫婦ではないと言う・・・などです。

しかし、これは性格の不一致と捉えるよりも、「相手が自分が望む行動パターンで対応してくれない」という問題であると理解する方が問題を解決するためには適切です。 つまり、「相手の行動パターンが自分が期待する行動パターンと不一致」であるというのが多くのケースで見られることです。

180度反対は似たもの同士

そのようなとき、私たちはもしかしたらそれは「似たもの同士」だということではないかと仮説を立ててお二人の言動からその証拠を集めます。 もし180度反対だとしたら、同一線上にいること(同一の座標軸上にいること)を意味します。 だからこそすれ違いやぶつかり合いが起こるのです。

昔のお見合いや許婚のように本人たちの意思と関係なく結婚した場合でも、最初は座標軸が異なっていても、共同生活をしていくことが絶対条件であれば、同じ座標軸上にのってきます。 そして不思議なことに、二人は180度反対の行動パターンを持つようになります(もっとも、昔は社会規範がもともと男はこうあるべき、女はこうあるべきと反対の行動パターンを要求している一方で、その社会規範自体は男女とも受け入れているという構造なので無理やりくっつけてもどうにかなりやすかったともいえます)。

もしお二人の座標軸がまったく異なるなら、共同生活はおそらく成り立ちません。 その場合は、座標軸を合わせる努力をする道と、離婚して新しい人生をスタートさせる道を冷静に比較する必要がありますが、私どもが関わった限りでは座標軸を合わせることが困難と思われるケースではほとんどの場合後者を選ばれるようです。

夫婦はシンメトリック(線対称)

つまり同じ線上にありながら、現実への対処方法が反対だからこそ、自分にないもの、自分が獲得したいものを持っている人に意識的・無意識的に惹かれ一緒になったのではないかと考えるのです。

もし、「似たもの同士」だという仮説が正しければ、お二人が意識している「180度反対」のもう一歩奥に、「似たもの同士」のところを見つけることができるはずです。 つまり、共通の土台を持ちつつも、現象的には異なるパターンの行動をしているわけです。

しかし、さらによく観察してみると、ある状況に対して夫婦がとった行動パターンと同じ行動パターンを、別の状況では役割を交代して実行している場面を見つけることができます。 つまり、ある特定の状況に対しては180度反対の対応をしていても、マクロ的に見ると同じ行動パターンをしているということがよくあります。

そのことがわかれば、すれ違うのではなく、単に相手を痛めつけるだけでもなく、うまく「ぶつかる」ように調整することができます。 そして、相手のことを理解することができるようになります。 相手に自分のことを理解させることはできませんが、相手のことを理解することはこの突破口を通じて可能になります。 お互いに相手のことを理解すれば、結果的に相手に自分のことを理解してもらえることになります。